短尺ながらそこに詰め込まれた十代の若者たちのそれぞれの苦悩と夢。
そこに丁寧にスポットライトが当てられていて自分が子供だった頃のことや大人になって親になった今だから思うことなど…思わず感情移入してしまいますが決して暗くはなく旅を共にする爽快な音楽とノルウェー🇳🇴の緑🌲豊かな絶景を眺めながらまるで一緒に旅をしているような気分にもなれる素敵なロードムービーでした🚌💨✨
あとシンプルにジャケ写好き❤️
ロックが大好きでロック大会で優勝することを夢見ているドラム担当の“グリム”。日頃から両親の不仲に悩まされており自分の意見をなかなか言えずにいた。ギターボーカルを担当する“アクセル”はクラスメートのリンダに恋しながらもどこか空回り気味で自分が音痴なことにさえ気づいてない。
そして音楽の才能に恵まれながらも親の反対にあい、やりたくもない仕事を背負わされ現実逃避気味の17歳”マッティン”。
チェロが得意だけどその大人びた性格のせいなのか女子から目の敵にされる上、両親は仕事が忙しくいつも無関心の中にいる9歳の女の子“ティルダ”
ある日グリムがアクセルの音痴具合を補正したデモテープを、そうとは知らないアクセル本人がロック大会に応募。見事予選を通過し決勝進出の知らせが届く。大会の開催される北の果てトロムソまで行くことになったが車の運転ができない2人は親の手伝いで車関係の仕事をしているマッティンに運転手を頼み、そこへ“ベーシストオーディション”でなぜかチェロを持って来た少女ティルダが加わり少年少女たちの短くも濃厚な旅が始まるーー
《以下ネタバレあり》
夜、焚き火を囲んで良い雰囲気の中アクセルの弾きがかり🎸『リンダ~アアァ~↑↑』じゃないのよ😂でも、あんなに一途なのも可愛らしいなと思った。
「聴いてられん…🙉💧」と言わんばかりにティルダが耳を塞ぐのを必死にアクセルから見えないように隠そうとするグリムの神がかった優しさ。笑 グリムは両親のいざこざをずっと近くで見てきたから争いごとを避けようとする性格なのかなと思った。できるだけ波風は立たない方がいい、自分が黙っていて物事がうまく行くならその方がいい。昔の自分と重なるようでした。
でも時には必要な言い争いもあるってことをこの旅を通して気づくグリム。アクセルに音が外れていることを伝えるのは彼を傷つけるしとても勇気がいることだけどそれが言えるのは本当の友だから。仲間と本気で大会で優勝したいと思うから。怒りに任せての言い方はアレだったけど、自分の殻を破って一歩踏み出したグリムも素敵だったし、イタイ所を突かれて悔しかっただろうけど最終的にはきちんと友達の助言を受け止めてバンドのためにはどうすることが一番いいかを考えて動けるアクセルも素敵でした✨
マッティンのたまにやるちょっとはにかんだ笑顔がよかったなぁ。17歳なんてまだまだ子供のはずなのに自分をしっかり持っていて適切な助言ができる。あのドライビングテクニック（無免許だけど😅）と歌唱力、大人びた外見…。カリスマ性がすごかった✨
そして今はまだ9歳だけど中学生の2人よりはるかに精神年齢が上だったティルダ。きっと友達のことや親のことで傷つく経験が多かったのかなと推測しましたが彼女が後10年して20歳を迎える頃、マッティンとの恋愛なんてあったらお似合いだなと思って見ていました☺️
実はうちにも音楽をかじっていた娘がいまして…🎸🥁
高校生の頃軽音部だったのでバンド活動をしていて一度だけライブハウスへ演奏を観に行ったことがあるのですがその時のことを少し思い出してウルっときました🥹
『音楽では食っていけん！』という頑ななマッティンのお父さんの気持ちもわからなくはないのですが…やはり子供の人生は子供のもの。音楽の道に進みたいと子供が言ったなら一度はチャレンジさせてやりたいなと思いました。私からしたらマッティンだってまだ17歳。まだまだチャレンジもやり直しもきく年齢ですからね。
ちなみに完全に余談になりますが、結局うちは音楽ではなくそれと同じくらい好きだったクリエイティブなことを学ぶため美大へ進みデザイン関係の仕事に就きました。今でも部屋の片隅にお小遣いをはたいて5万円で買った中古のギターが眠っています🎸🤭
それも今はいい思い出✨
夢と現実…難しい問題ではありますがその人生を生きるのは結局は子供本人なので最後にどの道へ進むのかを決めるのはやはり本人であるべきじゃないかなと個人的には思いました。
ロスバンドの4人に輝かしい未来が待っているといいな🤗✨
