日の目を浴びる人と物
冒頭、出所して田舎に戻ってきたアーサーはどこへ行っても徹底的に1人になれない。「人の目に触れる」ことを拒むような姿勢もとる。しかし、彼はダウジングの能力を利用され、墓泥棒という>>続きを読む
【追悼・シェリー・デュヴァル】
悲しく、楽しく、適当でダラダラしているのに熱量は高いロバート・アルトマン節の群像劇。
24人もいるメインキャラクター同士は点と点のまま終わっていく。後の監督作「ショ>>続きを読む
共感を突っぱねる意欲作
アイドル好きでもなく、強い「推し」がいるわけでもない自分にとって、この映画はまず好みの範疇から遠くにある作品だと感じていたが、実際観てみるとかなり面白かった。
主人公・東ゆ>>続きを読む
終わらない夏(物理)
サーフィン映画というジャンルの草分けとなった今作は暖炉にあたってマラリアやサメの本を読むシーンから始まる。冬のアメリカから夏を求めてアフリカ、オセアニアを周る2人のサーファーの>>続きを読む
盤石なイルミネーション印の長編アニメ一作目。
シリーズが一定の地位を獲得した現在から見ると安心安全のクオリティである。しかし、もし公開当時観ていたら感じていたであろうキャッチーだが少しチープ感のある>>続きを読む
ビリージョエルが1990年に行ったヤンキー・スタジアムでのライブを収めた映画。ここでのジョエルは野球>音楽なのが面白い。
「New York State of Mind」や「Scenes from >>続きを読む
戦争は終わった？
塚本晋也監督による戦争三部作の最終作。闇市の奥深くにゆらめく炎は人間本来の愛情と狂気を照らす。
半焼けの居酒屋という限られた場所で絶えず緊張感が走り続ける1幕目。『ゴジラ-1.0>>続きを読む
製作に強い制約があったことが新たな映画体験を与えてくれる。
冒頭から、リモートで演出を伝える監督が映し出される。二つの愛と"熊"とカメラが重要な要素となっていく本作。カメラでリアルを追求し、撮影して>>続きを読む
引き締まる線描、作中作を絞る魔法
感情の揺れは大きいが、それを熱すぎず見せるスリムな手法でクールさを感じ取れた。産みの苦しみを端的に示す冒頭シーンからクリエイターへの批評性とエールが織り交ざる。原作>>続きを読む
“Hand Job”
「手先」の動きにフォーカスしたウォン・カーウァイによる小品。中編映画ではあるが、カーウァイ作品特有の色彩は存分に味わえる。また、階段や廊下を写したシーンにも引き込まれる。
服>>続きを読む
シドニー・ルメットによる密室劇、法廷もの、会話劇の頂点に立つ不朽の社会派ドラマ。
基本構造として1〜99の可能性に各証言を当てはめて推測していく論理のもと進んでいき、0か100でなにかを論じていくこ>>続きを読む
初期のロマンポルノ。
GS崩れのクソ男という設定が大変素晴らしい。全裸で廃墟を逃げ回るシーンなど画的な強さもある。人生を狂わされるほど愛する人に入れ込む女性の受難という主題はあるが、それが70分強続>>続きを読む
⚠️警告区域⚠️
あまり白石監督の作品群に詳しくないせいで、「オカルトの森へようこそ」以来再びシリーズ続編から観る形になってしまった。もう10作も続いているらしいシリーズの最終作。
「オカルトの森>>続きを読む
存在しない悪を引き出すもの②
グレン・パウエル出演の近作はコスプレパーティ映画が多く、本作もそのくくりに含まれる。スパイもののようにキャラクターや飛び道具が登場し、クライムコメディの体をなす序盤から>>続きを読む
存在しない悪を引き出すもの①
今最も世界的に評価されていると言って不足のない濱口竜介監督最新作。「いかにも」、というような田舎のスローライフと開発の侵食が覆う前半で十分に楽しいが、その「田舎／都会」>>続きを読む
カメに生まれてよかった！
スーツアクターによるアクションの代表作。終始ハイテンションに進むアクションがクセになる。治安の悪すぎるニューヨークで発生する犯罪を鮮やかに演出した冒頭のシーンが白眉。時代を>>続きを読む
初ドライヤー。惚れ惚れするほどスタイリッシュな映像。
吸血鬼と戦うだけのストーリーなのに、これほど惹きつけられるのは影の使い方が圧倒的で、モノクロ映画の"正解"を生み出しているからである。
棺桶か>>続きを読む
若者とサラリーマンが組織や社会から離れ、よりこぢんまりとしながら温かい人情世界に惹かれていく内容で「Perfect Days」と双璧をなす2023年作。
山田洋次はやっぱり日本家屋の使い方が抜群に上>>続きを読む
死なずして死ぬ時の気持ちを味わってみたいことって確かにある
「スターウォーズ」のレイ役でお馴染みデイジー・リドリー主演作。人付き合いの苦手な地味OLが新しい同僚との出会いによって心を開いていく。とん>>続きを読む
向かいのジャンを呼びかけるも、部屋に不在であることを示すカメラワーク、、いいね
所々ハッとするようなカメラ回しがあって素晴らしいが、群像劇とまではいかないが登場人物がやや多め(それどころか脇役のキャ>>続きを読む
日本人って罪を犯した者への赦しに厳しかったりするが、今作は極めて日本的なタッチのルックでありながらその贖罪の意識に主題を置いていて見応えがあった。一つでも「赦し」があれば、いじめは連鎖しないという根本>>続きを読む
今、スポーツ映画は「キャプテン翼」演出がトレンド？
ある意味で記号的に「テニス」を使っている感じがする一作。日活ロマンポルノ「濡れて打つ」と同じハコに入るかも。
前半〜中盤が非常に面白く、三角関係>>続きを読む
渋すぎる和製フィルムノワール×西部劇。
昨年の「ザ・キラー」などに比べるときめ細やかな描写が多く、フィルムノワールとしての魅力が光る作品であるが、恋愛やカーチェイスなど様々な要素を散りばめた点は、薄>>続きを読む
暗黒の「アメリカン・ティーン」
住み良い街、シアトルにも存在した9人のストリートチルドレンをメインにしたドキュメンタリー。初潮が来るより前に売春婦となったタイニー、犯罪を犯した父に会う小柄なドウェイ>>続きを読む
もはや執念の塊のようなワンカットに惚れ惚れする
初の溝口。さすがに長尺で質の悪い録音を聞かされるためもたれる部分もあるが、カメラワークのこだわりが常軌を逸しており、芸術点が高い作品。特に冒頭のお徳と>>続きを読む
ジャッキー・チェンの「Ride On」に続き、ベタベタな中国カンフー映画にグッとくる。
しかし、中国の気鋭の3DCG表現は見慣れたテーマや展開を新鮮に見られるので、2度美味しい映画。斬新なジャンプカ>>続きを読む
死と抑圧の窓ぎわ
公開当時、評判が良かったのですごく観たかったが、時間がなかなか合わず映画館で観られなかった本作をU-NEXTポイントでチェックした。
絵のタッチは絵本というより教科書の挿絵のよう>>続きを読む
炭鉱の映像から名作を感じさせるバーバラ・ローデン唯一の長編監督作。
最初から希望がないため、「シュトロツェクの不思議な旅」よりハードな中身なのにキメ打ちのショットは少なく荒削りすぎる作風からゆるさが>>続きを読む
実話系の映画によくあるラストの後日談を伝える"事実"が観客をガシガシ刺してくる。
アフガニスタンに駐留する米軍と現地通訳のお話。前半は戦争アクション映画として緊張感あふれる爆弾工場の特定から捜査任務>>続きを読む
実際のアンドロイドが「出演」する異色作。
様々な要素、社会問題を取り入れたためにランタイム含め長く重い作品ではあるが、それを感じさせないサラッとした画づくりが印象的。
全体に通底する諦念が圧倒的で>>続きを読む
円盤投げのファウルから始まるベルリンオリンピック。ドイツは記録よりも作為の劇的演出を取り入れる。
冒頭の映像から幻想と神々しさでもってドイツの宣伝を仕掛けていく1936年ベルリンオリンピックの「記録>>続きを読む
シリーズ1作目との親和性が強い最新作。IMAXで鑑賞。
バイカー軍団の恐怖を描くというシンプルな主軸によって、シリーズ1作目と近いニュアンスを持っている。いくつか1作目をオマージュしたシーンもあり、>>続きを読む
アメリカ版Google Playのレンタルで鑑賞。アメリカ仕様なので、性器もノーモザイク。
ピーター・グリーナウェイ流の枕草子は、清少納言による肉体と衣装に関する持論を、より拡張させた映像詩になって>>続きを読む
桑田佳祐に激似でお馴染み長門裕之版「生きる」
オープニングの大阪のドヤ街は映画という虚構の空間を超えて現実に突きつける迫力がある。群衆の勢いには見応えがあり、発展途上国としての日本をこれでもかと見せ>>続きを読む
レイシストの集団暴走なんて異常に決まってる、という点で実は想像を超えてこない。
どう転んでも社会の害悪でしかないレイシストが集団となって起こす暴走によって観客が抱く恐怖心というのは、観る前からある程>>続きを読む
ファッション業界からサンローランが殴り込んだ短編映画だが、ゴリゴリの西部劇。馬あり、銃あり、砂埃あげまくりで画的に満足。ストーリーは唐突感がある。
なんとなく、北野武「首」と比較したくなる。ベタベタ>>続きを読む
