守りたいもの
守らなきゃいけないもの
変化
不変
さぁてようやくチャレンジの時が来た。
実はゴールデンウィークにル・シネマのチケットを取っていたのですが、用事が入り行けませんでした。
満を持して2ヶ月遅れの鑑賞です。
長野の山間の町に住む父 巧と娘 花。
穏やかな生活を送っていたが、グランピング施設建設が予定され住民からは不満が。
企業から住民との間を取り持つ依頼を受けた巧に思わぬことが起こるといったお話。
今作も色々な匂わせ演出満載なんだろうと全集中で鑑賞した1時間48分。
あれ？思った以上にシンプルでセリフも少ない。
かと思ったら今回は音や映像、小道具で沢山匂わせてましたねぇ。
画面を一時停止しながらもう一回じっくり観たい。
それにしても劇中では描かれていない部分のドラマが見えるって濱口監督はどれだけ緻密に作り込んでいるんだろうか？
何気ない行動の一つ一つに意味があるように見える。
前半のゆっくりとした風景描写や生活風景もこの村の美しさを紹介しているだけじゃないと思う。
俺が注目したのは巧と花の家族関係やここに至るまでの彼らの人生。
全くもって劇中では描かれていないけど、一瞬出てくる写真だけで妄想ドラマが始まっちゃう。
グランピング施設の関係者である高橋と黛の背景も興味深い。
そして今回重要ポイントが
🫎鹿🦌鹿🦌鹿🫎
鹿は人を襲わない
これがまた今作のテーマに何重にも掛かっている。
うまっ！！
持っていき方が凄いのよ。
落語家ですか？
そしてどの場面も空気の作り方がとても上手。
特に住民説明会のシーンのピリつき方なんか超リアル。
今回も以前住んでいた諏訪近くの見慣れた景色だらけで尚更リアルに感じてしまった。
別荘で成り立ってるとか言ってたからピンポイントで原村が舞台だよなぁ。
よくドライブしたなぁ懐かしい。
ロケしてた船越英一郎を見かけた事もあったなぁ。
クライマックスの衝撃展開はすごく直接的な表現だけど色々な動機を感じさせる。
不穏な余韻と巧の思いを考えながら自分の中の解釈を整理するのがとてつもなく楽しい。
大好きな作品でした。
文句無しに面白かった！
