交通事故で妻と娘を失った作曲家のジョンはニューヨークを離れ、シアトルの大学へ音楽を教えに行く。友人を通して紹介されたクレアから古い屋敷を借りるが、そこには子供の幽霊がいた…というストーリー。
TSUTAYA発掘良品でリリースされたジョージ・C・スコット主演のオカルトミステリーです。
夜な夜な何かを叩く轟音や子供の声が聞こえる怪現象に遭遇したジョンは、霊媒師を呼び、そこで霊から伝えられたメッセージをもとに、クレアと共に屋敷の過去に迫っていく、という内容です。
オカルトホラーではありますが、怖さはないですね。起きる現象も夜中になると何かを叩くような轟音が響き渡ったり、誰もいないはずの家の中側から窓ガラスが割れたり、バスタブにたまった水の中に子供の顔が浮かび上がったりと次々怪奇現象は起きますが、地味なので怖さを感じるまでには至りません。そもそも主人公が不思議そうな表情は浮かべても、怖がってるように見えないのも大きいかもしれませんね。でも、主人公が亡くなった娘との思い出のボールを川に捨てて家に戻ると、階段からそのボールが転がってくるシーンは印象に残りましたね。後、ヒロインのクレアが主人公の声に誘われるように屋根裏部屋に上ると、そこに置いてあった車椅子が動き出して追い掛けてくるシーンも印象に残りました。
ただ、ホラーとしては怖くないですが、主人公が怪現象の原因を探っていく中で屋敷の過去が明らかになっていくミステリーとしては楽しめましたね。音の出所を探る中でクローゼットの壁を壊して隠されていた屋根裏へ続く部屋を見つけるシーンはドキドキしましたし、霊媒師を呼んで少年の霊と交信し、その手がかりをもとに調査していく展開も面白いです。何かを叩く轟音の意味が分かった時もパズルがハマった感じで楽しかったですね。家の下に埋められた井戸から白骨死体を掘り返す展開は「リング」に影響与えてるんじゃないでしょうか。
死体を発見して、証拠のメダルを突き付けるも相手にされなかった主人公が屋敷に戻ってくると、亡霊が怒ったようにポルターガイスト現象起こすのに、「君はワガママすぎるぞ！私も精一杯やったんだ！」とキレる所は面白かった(笑)
明かされる過去の真相は中々非道ですね。でも、上院議員は確かに本来少年が受け取るはずのものを奪ったわけだけど、一番悪いのは父親だよなぁ。ちょっと上院議員も可哀想には感じたな。父親の分も報いを受けさせられた感じで。
階段の手すりを舐めるように炎が伝ってくる所や、炎上し、焼け落ちる屋敷の映像は迫力ありましたね。というか、これ出来るならもっと早くやれよ(笑)
屋敷の焼け跡でオルゴールが鳴るラストは何処か切なさ感じました。
ホラーとしての怖さはないですが、ミステリーとしての完成度は高い映画だと思います。
