勃発した戦争により多くの人類が命を失い荒廃した世界。生き延びる為荒れた大地を彷徨う5人の男女は、やがて農家の廃屋に辿り着く。彼らは何かに怯え、食料と弾薬を確認するのだが…というストーリー。
ショーン・アシュモア主演のポストアポカリプス・アクションホラーです。ツタヤ独占配給の作品です。
ス文明が崩壊し、荒廃した世界で食料を求めて旅する5人の男女が一軒の家に辿り着き、襲い来る「ヤツら」と戦う、という内容です。
かなりミニマムな作りの作品で細かい事情は殆ど説明されません。粗筋では戦争で荒廃した世界と書かれてますが、実際作中ではなぜ世界がこんなに荒廃したのかはまるで語られないんですよね。登場人物の何人かの過去は明かされますが、それも断片的な情報です。
前半は辿り着いた家で彼らが休息したり食料を捜したりいがみ合ったりする姿が描かれます。ここでの会話の中で男3人が幼馴染の親友だったりといった関係性などもチラリと明かされます。
中盤で「ヤツら」が現れ襲撃をかけてきてから仲間の一人の意外な正体が明かされたり、逃げ続けていた彼らが戦う決意をしたりと盛り上がってきます。
「ヤツら」の正体なんかは「ザ・ロード」や「HELL」で似たような展開があるので余り新鮮味は無いですが。といか「ザ・ロード」以降のポストアポカリプス作品ではほぼこの要素入っている気がしますね。
一軒家に籠城しての戦いは「ナイト・オブ・ザリビングデッド」や「要塞警察」を彷彿させます。基本、主人公達も敵も銃持ってなかったり、弾薬が少ないので肉弾戦が多くなってます。そんな派手な戦いではないんですが、中々緊迫感があります。数は少ないながらもゴアシーンもあり、子供にも容赦ない展開もあります。まあ、ゴア描写に関してはモノクロに近い映像のせいではっきり見えないのが残念ですが。
ヒロインのクールさや冷徹なショットで捉えたラスト等何処となくカーペンターっぽいです。
モノクロに薄く色を加えた様な映像もこの世界観にマッチしていたように思います。前半は回想シーン以外ほぼモノクロなんですが、終盤で投げ込まれた火炎瓶で燃え上がる火や、朝日の光などは色がついていて、そのコントラストが個人的には結構印象深く残りました。
「ロード・オブ・ザ・リング」のメリーや「LOST」のチャーリーを演じたドミニク・モナハンが5人のリーダー役を演じてます。割とすぐ退場したのは残念ですが。一応、主人公はショーン・アシュモアですが、妻子を殺された過去を引きずっており、仲間の一人の正体が明らかになった時に拷問始める所は狂気じみてましたね。まあ、あの過去考えたらそういう行動に出る気持ちは理解できるけど。序盤からずーっと咳してて体壊してる黒人ヘンソンは足手纏いキャラかと思ったら、メンバーの中で一番まともだったし、最後も漢気見せてくれましたね。一匹狼気質のヒロイン演じるのがアシュリー・ベルなので、華やかさや色気には欠けてたかな(笑)
「ヤツら」のリーダー演じるのがマイケル・エクランドですが、「ディヴァイド」の様な狂気の演技見れなかったのは残念。ボスなのに最後の戦いで一番最初に死ぬのはどうなの。そこは最後まで残ってラスボスとして戦うべきだったでしょ。
ポストアポカリプス路線の低予算ホラーで良作だと思います。
続編も製作されるかもしれないそうですが、見てみたいですね。しかし、終末世界の悪役はやっぱりモヒカンなんですね(笑)
